精神疾患で障害年金をもらえない人の特徴とは?就労中でももらえる?
メンタルでも症状次第で障害年金を受け取ることができます。
うつ病や統合失調症、メンタルでも症状次第で障害年金を受け取ることができます。
うつ病、統合失調症、双極性障害、反復性うつ性障害などは受け取ることができます。
ただし、神経症といわれるパニック障害、人格障害、不安神経症、強迫性障害などは障害年金の支給対象になりません。
障害年金という制度をご存知ですか?
うつ病・もしくはうつ病かもしれず、働けない方に給付される「障害年金」という国の制度はご存知でしょうか?
「障害年金」とは、病気や事故が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度です。
65歳以前に障害を持ち、日常生活や仕事に支障がある人に対して支払われます。
うつ病だから働けないという方は障害年金の受給をオススメいたします。
障害年金はうつ病の症状にもよりますが、月5万~9万まで受給が可能です。
働けず、お金に困っている方は障害年金に頼ってみてはいかがでしょうか?ここでは、うつ病で障害年金受給できる条件をご説明いたします。
障害年金の3つの受給要件
障害年金は申請をすれば誰でも受け取れるわけではなく、以下の3つの条件を満たしていることが必要です。
- 初診日が特定できること(初診日要件)
- 初診日前に一定期間の保険料が納付されていること(保険料納付要件)
- 国の認定基準(一定の障害状態)にあること(障害状態該当要件)
ここからは、それぞれの条件について詳しく解説します。
➀初診日要件
国民年金、厚生年金、共済年金への加入期間中に、医師や歯科医師によってその障害の原因となった病気やケガを診察してもらうことが必要です。
初診日とは、この診察を初めて受けた日のことを指します。健康診断で異常が検出された日も初診日とみなされることがありますので、ご注意ください。
ただし、先天的な要因により障害状態になった場合や、国民年金に加入したことのある方で、60歳から64歳までの間に初診日のある傷病によって障害状態になった場合は、障害基礎年金の対象となります。
この「初診日」によって、障害年金の受給資格はもちろん、具体的にどれくらいの額がもらえるのかまでが決まる非常に重要な日となります。
②保険料納付要件
- 初診日までの納付必要期間に対して3分の2以上納付している事
- 初診日の過去1年間に年金の未納(免除期間や学生の納付特例期間を除く)が無い事
のどちらかを満たしていることが条件です。
③障害認定日要件
障害年金を貰うためには障害認定日において、一定の障害の状態にあることが必要です。
※障害認定日とは初診日から起算して1年6ヶ月を経過した日を指します。(特例あり)
精神疾患の場合、働きながらでも障害年金は受給できる?
障害年金は、基本的には働きながらでも受給することができる年金制度です。実際に、多くの方が働きながら障害年金を受給しています。
しかし、精神疾患の場合、働きながら障害年金を申請するのはなかなか難しい状況です。申請時の勤務の状況や症状の程度や治療の状況、日常生活の状態によって、障害年金の受給が認められるかどうかが大きく影響します。
うつ病や統合失調症などの精神疾患の方が、フルタイムでの就労が可能であれば、障害年金の受給は極めて難しいです。
パートタイム(時短)勤務、障害者雇用など、障害の状態を会社側がある程度配慮している環境下での就労の場合であれば、働きながらでも受給できる可能性が少し出てくるかもしれません。
知的障害・発達障害の方のような先天的な要因のある方の場合は、フルタイムでも障害者雇用で勤務する可能性が高いため、受給できる可能性があります。
なかには、障害基礎年金の2級が認定されるケースもあります
障害年金が不支給になってしまう理由
障害年金が不支給になってしまう理由として下記のようなケースが多く見られます。
➀診断書の日常生活の部分と、申立書の内容が一致していない
医師の作成する診断書の内容としては、治療経過・各種検査データ・臨床所見などが中心ですが、医師から見た当人の日常生活動作・生活能力・一般状態区分・労働能力なども含まれています。
診断書は医師にしか作成することができませんが、日常生活の様子などは本人との情報の不足により症状を軽く書かれてしまう可能性もあります。日頃から主治医とコミュニケーションをしっかりとって、普段の生活の様子をきちんと伝えることがとても重要です。
また、診断書との整合性が必ず求められますので、請求者が作成する病歴就労状況申立書の作成にも細心の注意が必要です。医師の作成した診断書の治療経過と本人が申し立てた申立書の内容に異なる点が多かったりすると、審査時に信憑性が問われます。病院の治療歴等も記録が合っていることが重要です。
②申立書の内容が薄い
病歴・就労状況等申立書(申立書)は、請求者が発病から初診日までの経過、現在までの受診状況および就労状況等について記載する書類です。
請求者側が自ら作成して申告できる唯一の参考資料であり、自分の障害状態を自己評価して行政にアピールできるのは、この申立書以外にないので、できるだけ具体的に、発病から現在までの病状・治療の流れ、日常生活の様子が審査側にイメージできるように作成する必要があります。
③医師が書いた診断書を開けないで、そのまま出してしまっている
医師に診断書の作成を依頼し、封筒が閉じている状態で診断書を受け取り、「開けてはいけないのかな…?」と思い、そのまま年金機構に提出する方が意外と多いですが、提出する前に書いてもらった診断書は開封して必ずチェックしてください。
病院側が封筒に封をして渡されるのは個人情報の問題と、特にメンタル障害の場合には、本人が医師の書いた内容を見て驚かないようにするため?なのではないでしょうか。
前述したように、診断書と申し立て書の内容が合っていないと、等級が下がったり、不支給になる可能性があります。
診断書は障害年金の申請や更新において、とても重要なので必ず確認するようにしましょう。
審査請求・再請求について
障害年金の裁定などの決定や処分に不服がある場合は、その処分を見直してもらうために、不服申立てをすることができます。
➀審査請求
審査請求は、裁定請求に対して不支給決定等の処分に不服がある場合、その処分があった日から3か月以内に地方厚生局に所属する社会保険審査官に対して行います。
②再審査請求
再審査請求は、審査請求において出された裁決に異議がある場合に行われますが、裁決書の謄本が送付された日の翌日から2か月以内に厚生労働省に設置されている社会保険審査会に対して行います。
不支給になった場合の注意点
不支給決定を受けてからの少し時間をおいて再申請(リベンジ)をするような場合には、前回提出した書類をチェックされる可能性があります。
前回の申請の記録は年金機構にしばらくの期間残っています。
当事務所でも、一度自分で申請して不支給になった方から、再度申請をお願いしたいというご相談をいただきますが、その場合、必ず前回提出した書類の写しを年金事務所から取り寄せていただくようにしています。
皆さん、ご自分のことですから、申請した書類の写しは必ず取っておきましょう! 改めて前回申請した書類の内容を拝見すると色々不備な点が散見されます。それは仕方ありません。
初めて素人の方が申請したのですから。書類の中身についても十分わからず、言われるままに書類を出しているケースが多いのです。
不服申し立てをする場合も再申請をする場合も、初回の申請以上に慎重な判断と検討が伴います。
また、どちらの方法を行なっても、時間や労力がかかってしまいます。障害年金の申請は、可能であれば最初の1回で良い結果を出すことが何より重要です。
当事務所は受給決定率97%の高い数値を維持しています。障害年金についてお困りの際には、お気軽にご相談ください。
当事務所の障害年金の受給事例(精神疾患)
統合失調症で障害基礎年金2級が5年遡りで認定されたケース
相談に来られた状況
当センターで配布したポスティングチラシをご覧いただき、お母様が無料相談会の申し込みをしてくださいました。
年齢は60歳、20年くらい前からメンタルの症状が現れ、意味不明な発言や無言、無反応といった状態が続いた為、総合病院を受診しました。
総合病院での対応が難しく、精神科の病院に紹介状にて転医。それ以降入院と退院を繰り返しています。
長年の入退院の繰り返しで、症状が良くなることもなく、社会復帰等は到底困難といった状況が続いており、お母様と弟さんが将来の点についても心配されてご相談に来られました。
杉山社労士の見解
ご本人からのヒアリングは難しい感触でしたので、お母様と弟さんに詳細をお聞きする方法をとるしかないと思いましたが、症状については、過去に10回以上も入退院を繰り返している状況と最近の症状も安定感がなく、長年症状に変化がない様子でしたので、申請は可能であると判断いたしました。
受任してから申請までにやったこと
ヒアリング
ご本人からの聞き取りが難しいため、お母様と弟さんに何度かお話させていただき、症状の状態や変化について、できる限り詳細に聞き取りをさせていただきました。
診断書の作成
診断書の作成は、入退院を繰り返していた病院(現在も通院中)にお願いして記載をしていただきました。
申立書の作成
症状の経過については、お母様、弟さんにお聞きした状況を可能な限り反映した申立書を作成しました。
結果
請求書を提出して2か月で障害基礎年金2級が認定になり、5年の遡及により約370万円受け取ることが出来ました。
遠方に住んでいる息子さんから地元の母親の躁うつ病についての相談を受け、障害基礎年金2級の受給に成功したケース
相談にこられたときの状況
現在横浜にお住いの息子さんからHPを見ていただきお問い合わせをいただきました。地元静岡に住んでいらっしゃる母親が夫の自殺をきっかけにメンタル症状を起こし、以来長期にわたり、精神不安定な状態が続いている。
息子も遠方に住んでいることもあり、ずっと面倒見ることにも制限があるため、母親の経済面を考えたときに、障害年金しかないのではと考え、相談のご連絡をしたとのことでした。
杉山社労士の見解
長期にわたり、抑うつ、強い不安感、焦燥感、不眠状態といった症状が続いているうえに、希死念慮が強いこと、過去に自殺を企図したことがあることなどから、申請は可能と判断しました。
受任してから申請までにやったこと
ヒアリング
息子さんとのヒアリングを2回程度行いましたが、お住まいが遠方のため、母親の様子を見に来る月1~2回帰省されるタイミングに合わせてお話をお聞きし、補足してお聞きしたいことはお電話にて対応させていただきました。
診断書の作成
かかりつけの病院は当初から同じ病院に通院されていましたので、診断書の作成についてはスムーズにお願いすることができました。
申立書の作成
息子さんからのヒアリングでお聞きした内容をよく整理させていただき、申立書に反映させていきました。そもそもの原因が夫の自殺からはじまり、親族との軋轢など少しドロドロした部分をお聞きしなくてはならないことが少し辛かったです。
結果
請求書を提出して障害基礎年金2級が認定になりました。
ご家族の方へ
当センターではこちらから一方的に話すのではなく、うつ病などの心の病気で苦しまれている相談者様のお悩みをしっかり聞くという方針で対応するよう心がけています。
障害年金の手続きは非常に複雑です。ご家族の方のみでも構いませんのでまずはお気軽にご相談下さい。
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