外国人と障害年金について
質問
私は、飲食店を経営しているブラジル国籍の女性です。2年前に聴力を失い、現在は全く聴こえなくなりました。日本に来てから国民年金の保険料はすべて納めていますが、外国人にも障害年金は日本人同様に受給資格はあるのでしょうか。
答え
かつての日本の国民年金制度では、外国人を適用外としていました。
しかし厚生年金に関しては、従来から外国人であることに弊害はなく加入することが可能でしたが、昭和57年に難民の地位に関する条約(難民条約)が批准される以前には、国民年金法に国籍要件が存在していたために、厚生年金に加入していなかった日本に在住する外国人の方は、昭和56年3月31日までは国民年金に加入できなかったのです。
したがって、国民年金を納める以前に初診日のある外国人の方は、残念ながら障害年金の受給対象とはなりません。
このような制度の不備によって、いわゆる「無年金外国人」の方が生み出されることになり、現在社会的に問題視されてきています。
ちなみに、国民年金に任意未加入であったことにより障害年金の加入条件を得られない場合として、他にも以下のようなケースが挙げられます。
(1)日本国籍の保持者であって、20歳以上60歳未満の昭和36年4月から61年3月までの海外在住期間
(2)学生であった平成3年3月までの期間
(3)昭和61年3月までの被用者年金制度加入者の配偶者であった期間
(4)厚生年金保険の脱退手当金を受給した期間
ブラジル国籍の方の障害年金申請について
ブラジル国籍の方が日本国内で居住中に初診日のある病気やケガか原因で障害者になってしまった場合には、障害年金の申請が出来ることがあります。ただし、様々な書類の提出を求められるケースがあります。
ブラジルの方の場合、日本人と異なり戸籍が存在しないため、それに代わるものとしてナシメントやカザメントを母国から取り寄せる必要があります。
ナシメント… ナシメントとは、ブラジル政府が本人の出生に関してを
証明した書類になります。
勿論、ポルトガル語で書かれておりますので、日本語に翻訳
したものが必要になります。
カザメント… カザメントとは、.結婚証明書になります。
誰と誰がいつどこで結婚したかということを証明した書類
になります。
この書類もポルトガル語で書かれていますので、翻訳が必要です。
外国人登録原票…入国管理庁にある外国人登録をした原票の写しです。
入国管理庁に開示を依頼します。
在留カード…本人が所持している有効な在留カードのコピーが必要になります。
以上のような書類の添付が必要であり、申請には時間のかかる場合があります。
ご質問の限りでは、ご依頼者は国民年金加入中に初診日をむかえ、険料納付要件である被保険者期間の3分2以上の保険料納付(含む免除)を満たしていると思われます。
速やかに手続きを始められることをおすすめします。
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